スポーツ観エトセトラ

興味深い記事がありましたのでご紹介します。

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◎[Number on Number スポーツを数字で読む。]メダル数で
測れないもの。~“中国化”する日本スポーツ界~
(2012/06/05 Number803号))

 オリンピックにおいて、1位から3位の選手に「金銀銅」のメダルを授与すると決まったのは、1907年、オランダのハーグで行なわれたIOC総会だった。彼らの決定によって、オリンピックでは3位までが高い価値を持つことに今では世界中で多くの選手が、オリンピックのメダルを最も価値ある成果として目標にしている。しかし考えてみると、これは当時のIOC委員――ピエール・ド・クーベルタンやスウェーデンのビクトル・バルク将軍が決めた顕彰の方法だ。彼らが「メダルは5位まで」と決めていれば、5位が高い価値を持つことになっていたかも知れないのである。

 メダルは、選手にとっては明確な動機づけになる。しかし、選手以外の人々が目標として掲げると、話はややこしくなってくる。例えば国家が目標に掲げると、それがスポーツ界のためになるのか、疑わしい場合もある。
 日本の文部科学省では今春、大臣の諮問機関である中央教育審議会が「スポーツ基本計画」を答申した。その中で、今後5年間、オリンピックの金メダル獲得数で、夏季大会においては世界の5位以上を目標にする、と書いている。世界5位とはどれくらいか。夏季大会の種目数が300に達した’00年シドニー五輪以降、最近3大会を見ると、シドニー五輪の5位はドイツで13個。’04年アテネ五輪は、ちょうど日本が5位で16個だった。そして’08年北京五輪の5位もドイツで16個になっている。

●五輪・最近3大会金メダル5傑と日本の成績

【’00年シドニー】
(1)米国 金37、銀24、銅33、計94
(2)ロシア 金32、銀28、銅29、計89
(3)中国 金28、銀16、銅14、計58
(4)豪州 金16、銀25、銅17、計58
(5)ドイツ 金13、銀17、銅26、計56
(15)日本 金5、銀8、銅5、計18

【’04年アテネ】
(1)米国 金36、銀39、銅27、計102
(2)中国 金32、銀17、銅14、計63
(3)ロシア 金27、銀27、銅38、計92
(4)豪州 金17、銀16、銅16、計49
(5)日本 金16、銀9、銅12、計37

【’08年北京】
(1)中国 金51、銀21、銅28、計100
(2)米国 金36、銀38、銅36、計110
(3)ロシア 金23、銀21、銅29、計73
(4)英国 金19、銀13、銅15、計47
(5)ドイツ 金16、銀10、銅15、計41
(8)日本 金9、銀6、銅10、計25
※IOC公式ホームページより

 アテネ五輪の16個は、日本が1大会で獲得した金メダル数の最多タイ記録だった。5位以上を目指すということは、日本は常に最多タイのレベルを目指すということで、文科省は今後、そのための予算を要求していくはずだ。「スポーツ基本計画」では、スポーツによる事故や外傷の予防といったテーマにも言及している。こういったことは、まさに国が取り組むべき課題だろう。しかしオリンピックのメダルの数というのは、目標として国が定めるべきものだろうか?
 金メダル数で現在、世界No.1は北京五輪で51個を獲得した中国である。「世界で5位以上」という目標の設定は、中国のようなスポーツ文化を目指す、ということにならないだろうか。それは、日本のスポーツ界にとってよい目標と言えるだろうか。

 北京五輪の中国は、51個のうち、体操で9個、飛び込みで7個、重量挙げで8個、射撃で5個と、この4競技で29個を獲得している。体操以外の3競技は、どの国でも大観衆を集めるスポーツではないため、これに専念できる選手は限られている。こういった競技を強化するには、国の税金で選手の生活を支え、競技環境を整えることが効果を発揮する場合が多い。中国はそれをやっているため、こうした競技が強いと言える。

 一方で、世界的にプロリーグが普及したサッカーやバスケットボール、競争の激しい陸上競技男子100mといった種目では、目立った成績を残していない(サッカーでは男女ともロンドン五輪の出場権を獲れなかった)。つまり、中国は「メダル大国」ではあるものの、必ずしも「スポーツ大国」とは言えないのである。

 中国とは対照的な国として、スペインを挙げることができる。北京五輪におけるスペインの金メダルは5個だけ、ランキングでは世界の14位に過ぎなかった。しかしサッカーでは’10年W杯で優勝。スペインリーグは、世界中のサッカーファンが注目している。バスケットボールでも北京五輪で銀メダル。国内リーグはNBAに次ぐレベルでガソル兄弟、リッキー・ルビオらNBAのスター選手を輩出している。テニスでは、北京五輪で金メダルを獲ったあと世界ランキング1位になったラファエル・ナダルがいる。また、欧州で人気の高い自転車ロードレースでも北京五輪で金メダルを獲得している。

 こうした世界のメジャースポーツでは、少数のエリートを税金で育成しても、なかなか上位に行けない。国内リーグの充実など、いわゆる「スポーツ文化」の豊かさが前提になる。サッカーやバスケットボールの国内リーグは地域の経済を活性化するし、チームの歴史的な勝利が地域社会の精神的財産になる。こうした意味で、スペインがスポーツ大国であることは間違いない。

 さて、日本はどちらを目指すべきだろうか。「スポーツ基本計画」には、スポーツを通して「一体感や活力がある地域社会」を目指すとも書かれている。そうであれば、単に金メダルの数が増えても、それは実現できないはずだ。金メダルの数より、サッカー、バスケットボール、バレーボールですべて五輪8強以上といった成果の方が、重要かも知れない。夏冬3回の五輪を開催している日本は、メダル大国よりスポーツ大国の方が相応しい目標に思える。(小川勝)
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啄木鳥…確かにある面では当を得た指摘である。しかし、最近の論調で思うのは「〇か×か」的二分法のような発想だ。気になるのは私だけでしょうか?この背景の一つは、わかりやすさという点で単純化して描くと予算が付けやすいということかな?
大いにスポーツを議論しましょう!!

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by fight-nagano | 2012-06-07 08:35 | 国体関連
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