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中学部活動と社会体育

一昨日の信毎の記事に、中学の部活動の話題がありましたので掲載します。

◎部活と社会体育、線引きどこまで 県教委、中学校に区別明確化求める 顧問
がコーチ…表裏一体
(2012/05/09 信濃毎日新聞朝刊)

 県内の公立中学校で、運動部が社会体育の別団体をつくって休日などに練習す
る光景は珍しくなくなっている。県教委は、部活動と社会体育団体活動の区別が
あいまいなどとして「適正化」に乗り出した。線引きがはっきりすれば問題はな
くなるのか。現場からは戸惑いの声も上がっている。

 4月27日金曜日。下校時刻の午後6時15分を過ぎても、女子生徒約20人
は練習を続けていた。長野市内のある中学校の体育館。この時刻を境に、体育館
の使用者は同校女子バスケットボール部から社会体育のクラブチームに切り替
わった。だが、合図もメンバーの出入りもない。「子どもたちは『今日は部活が
長い日』という認識だと思う」。同部顧問でクラブのコーチでもある教員は話した。
 同部の場合、こうした日が週3日ある。社会体育のクラブチームとしての練習
時間は30分。下校時刻が早まる冬場は約2時間に延びる。運営主体は同部の保
護者会。毎回、鍵当番になった保護者が学校から体育館を借り、最後に鍵を掛け
て帰る。
 毎年5月初め、部の保護者会で、クラブチームの規約を配り、スポーツ保険に
入ることや送迎は保護者が責任を持つことなどを説明する。そこで社会体育と部
活動の違いを知る保護者も多い。保護者会長を務める母親も「大人だけでなく、
中学生が部活の延長で社会体育に参加するなんて驚いた。初めは鍵当番の制度に
も戸惑った」と振り返る。

 運動部が社会体育の別団体をつくっている背景には、部活動の時間を制限する
県教委の方針がある。学校完全週5日制導入に伴い、県教委は2002年6月、
学習時間や家族との時間を確保するとして「週末は部活動を行わない」「平日に
学校全体で部活動を休む日を設ける」などとする通知を出した。
 県教委は、部活動時間が減る分を、総合型地域スポーツクラブをはじめ外部の
指導者や団体が担うことを期待していた。だが実際は教員以外の指導者などの態
勢を整えることは難しく、部活動と表裏一体の社会体育団体が生まれた。
 部活動と社会体育の線引きがあいまいで、練習の長時間化にもつながっている
との懸念から、県教委は実態調査を実施。ことし3月、こうした団体に規約を作
る、学校職員以外が責任者になる、参加者は保険に入る、部とは別に参加の意思
確認をする―の4原則を求めた。
 長野市のこの中学校には、全12運動部に社会体育のクラブチームがある。女
子バスケット部のように規約があり、部とは別に参加の意思確認をするクラブ
チームの方が少なかった。校長は今春、全クラブチームに規約を作るよう指示し
た。校長は「社会体育といっても実際は部活の延長。部活動が制限され、強くな
るための逃げ道になっていた。学校側も線引きはあいまいだった」と漏らす。

 県教委が線引きを明確にしたい理由は、活動中の事故などに対する責任の所在
だ。部活動は学校が運営、管理しているが、社会体育に切り替わると運営主体は
学校ではなくなる。「だが、実態は切り離せない場合が多く、学校も知らないふ
りはできない」(県教委スポーツ課)
 部活動の指導を負担に感じる教員もいるため、社会体育活動を部活動と明確に
分け、外部指導者を望む声は学校側にも少なくない。だが、この校長は「そもそ
も外部講師となる人材が足りない。部活動の顧問がやるしかない」。地域全体で
子どものスポーツを支える文化がないことが根本的な問題点と指摘する。万一、
社会体育の時間に大きな事故が起きた場合、県教委の4原則を満たしていても
「学校は関係ないので保護者会で全部対応してくださいと言い切れないと思う」
と迷いをにじませる。
 千曲市屋代中学校の女子バスケットボール部は午後6時半に一度帰宅し、「千
曲ジュニアバスケットボールクラブ」として再び7時半~9時半に練習する。部
の時間帯は体育館を4分の1しか使えないが、クラブの時間は他に利用者がな
く、全面使える。
 顧問の仲弘久教諭(49)は「部活動の時間だけでは十分な練習ができない。
クラブの時間を使い広いコートで存分に練習してほしい」と話す。生徒たちから
も、もっと練習したいという声が寄せられているという。今月の部活動保護者参
観日であらためて、保護者に社会体育への理解を求めていく予定だ。



◎県内公立中の9割余、社会体育団体設置 部活動延長「規約なし」は半数 県
教委、指針など検討へ
(2012/05/09 信濃毎日新聞朝刊)

 県内公立中学校の9割余が、運動系部活動の延長としての社会体育団体を設
け、そのうち管理者や指導者などについて定めた規約を設けているのは半数程度
にとどまっていることが8日、県教委の調べで分かった。学校5日制を背景に休
日などの練習時間確保が目的だが、きちんとルールを設けていないと、指導者や
生徒らメンバーがほぼ同じで責任の所在があいまいになりがち。県教委は3月、
市町村教委などに団体は規約を設け、それに基づき活動するよう求めた。年度内
には、公立中学校の運動部の活動指針をつくるための検討委員会を発足させる。
 県教委が県内の公立中学校全187校を対象に昨年12月に行った実態調査に
よると、94・1%に当たる176校が、部活動の延長として活動する社会体育
の団体があると回答=グラフ右。1115団体のうち規約があるのは
608(54・5%)にとどまる。参加者を募集せず部活動の部員が自動的に所
属する団体は728あった。
 社会体育団体の活動終了時刻は、冬季は全体の56・4%が午後7時、12・
4%が午後9時と回答。午後9時半のクラブもある=グラフ左。県教委は「学習
をしたり家族と過ごしたりする時間を確保することや、本人の健康管理などの観
点から見直す必要がある」と、実質的な部活動の長時間化を問題視している。
 県教委はことし3月下旬、市町村教委と学校組合に対し、社会体育団体に▽規
約がある▽責任者が学校職員以外▽生徒や指導者、保護者が保険に加入する▽参加
するに当たり本人の意思確認をする―の4原則を徹底するよう文書で求めた。た
だ、部活動の顧問をしている教職員にはその分野に精通した人も少なくなく、団
体の責任者でなくボランティアで参加するのは構わない―との考えだ。
 検討委員会委員は青少年の発達段階の専門家や県教職員組合、県中学校体育連
盟などを想定し、人選している段階だ。県教委スポーツ課は「社会体育に参加す
るのは自由だが、線引きをしっかり浸透させ、部活動と合わせた適切な中学生の
運動量を考えていかなければいけない」としている。

[部活動と社会体育活動]

 部活動は学校の管理下にあり、学校や市町村教委・学校組合が責任者。社会体
育は学校外の活動で責任は団体が負う。部活動は学校が部員や指導者全員の保険
に加入し、生徒や指導者が加害者になった場合の損害賠償もある。社会体育の場
合、保険加入は任意で団体が窓口。学校完全週5日制を受け、県教委が部活動の
活動時間を制限した2002年以降、練習量確保のため部活動と表裏一体の社会
体育団体が増えた。


☆☆皆さんで大いに考えましょう。☆☆啄木鳥


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by fight-nagano | 2012-05-10 15:49 | 各種話題
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